高すぎる?固定資産税の決定方法と安く抑えるために知っておきたいこと
固定資産税を毎年支払っている方の中には、金額が高いと感じている方も多いのではないでしょうか?
固定資産税の金額は基準となる評価額から算出されており、その基準は各自治体の評価次第で金額が変動します。
固定資産税の決定方法から少しでも安く抑えるために知っておきたいことまで紹介します。
固定資産税とは
固定資産税とは、毎年1月1日時点で住宅やマンション、土地といった不動産を所有する人全員に発生する税金のことで、不動産を所有している限り支払い続けなければいけません。
固定資産税は対象の不動産において、固定資産税課税台帳に登録されている人に支払い義務が生じます。納税通知書が自宅に届いたら金額を確認し、通知書に同封されている納付書を使用して支払いを行います。
支払い回数は年4回の分割払いが一般的ですが、各市区町村によっては一括払いが選択できることもあります。支払い方法の違いによって総合的な金額が変動するわけではないので、ご自身の収支に合った支払い方法を選びましょう。
また、納税場所は、市税事務所や金融機関窓口での現金払いが基本となりますが、こちらも市区町村によってはコンビニやペイジーでの支払い、クレジットカードや口座振替の自動引き落としなど、さまざまな支払い方法が選べる場合もあります。
固定資産税の決定方法とは
固定資産税が確定するまでの主な流れですが、固定資産税評価基準に基づいて、評価員が行い、各市町村で決定されます。
新築の場合には、自治体による家屋調査から対象となる不動産の評価額を決定し、その評価額をもとに最終的な固定資産税額を算出します。
それでは、固定資産税の決定方法の流れについて詳しく見ていきましょう。
固定資産税額決定のための新築の家屋調査
新築・増築した住宅に入居後、通常だと1~3ヶ月以内に、お住まいの地域の自治体から固定資産税の評価額を調べるための家屋調査の連絡が入る場合があります。
評価額の選定は、今後不動産を所有している限り納税義務が生じる固定資産税の基準となるため、不動産所有者は調査に協力し、立ち会う必要があります。
家屋調査には、およそ30分前後かかります。
スムーズに調査を行うため、建築設計の平面図面をあらかじめ用意しておくようにしましょう。
注意点:家屋調査には協力すること
家屋調査に協力しない場合、審査対象が不動産に関する書類のみとなるので、実際に調査して決定する評価額よりも高く設定されてしまう可能性もあります。
調査員の家屋調査は快く引き受け、立ち会うことが大切です。
固定資産税の基となる課税標準額が決定される
家屋調査や自治体による評価に基づいて、固定資産税の基となる課税標準額=評価額が決定します。
課税標準額は建築額×0.7×0.5~0.7で算出され、建築額×0.7=公示額とし、固定資産税調査員の裁量は0.5~0.7の係数の部分に反映されます。
調査対象の不動産に天井埋設エアコンや暖炉などの高価な備品を設置している場合、課税率が高くなる傾向にあります。
課税標準額(評価額)を基に固定資産税を計算
家屋調査で決定した評価額を基に、最終的に納税者が支払わなければいけない固定資産税の金額を計算します。
固定資産税の金額の計算方法は、課税標準額(評価額)×1.4%(標準税率)となります。
この計算の結果が、後ほど送られてくる納税通知書に記載されます。
評価額に納得できない場合は再審査の申し出を行うことも可能
評価額があまりに高すぎるなど、結果に納得ができない場合は再審査の申し出を行うことも可能です。
申し出を行う前に、同じ地域の固定資産税の課税相場がいくらなのか調べておく必要があります。
課税相場の調べ方は、役所または町村役場にて毎年4月1日から5月31日まで、自分の所有する不動産のある地域のみの課税台帳を確認することができます。
課税相場を確認のうえ、自身の不動産に対する課税額に納得できない場合にのみ、固定資産評価審査申出制度により、固定資産評価審査委員会に再審査の申し出を行うことができます。
なお、申し出は通常4月1日から納税通知書の交付を受けたあと、3ヶ月以内です。
固定資産税を少しでも安く抑える方法とは?
固定資産税の評価額が課税相場と等しいとしても、可能な限り納める金額を抑えたいところです。
ここでは固定資産税を少しでも安く抑えるためにできる方法を紹介します。
家屋調査の際にしっかりと意見を伝えること
固定資産税の基準となる評価額は、家屋調査の際に確定されます。
固定資産税の金額を左右するのは、この評価額であるため、少しでも安く抑えるためには調査段階でのやり取りが重要となります。
例えば、大手ハウスメーカーで施工した場合、担当者は自社の固定資産税評価額の相場を把握しているケースが多いので、疑問点や不明点があれば、遠慮せずに聞いておきましょう。
あらかじめ相場を知っておくだけでも調査員と会話ができます。
たとえ評価額が下がらないとしても、気になる点を調査員に直接聞いて確かめることができるので、“あの時確認しておけばよかった”など後悔せずに済みます。
支払いをクレジットカード払いにすること
固定資産税をクレジットカードで支払うことで、ポイントが還元されるという仕組みです。
ポイント還元制度があるクレジットカードは、支払い額に応じてポイントが付与されます。
クレジットカードの還元率によって還元金額は変動します。
クレジットカード支払いによる決済手数料やカードごとのポイント還元率にもよりますが、日頃クレジットカードを使用する機会が多い方にとっては、総合的に見た場合にメリットになるケースがあります。
減税措置を利用すること
住宅や土地によっては減税措置を利用できるケースがあります。
例えば、住宅用地の特例の場合、200m2以下の小規模住宅用地であれば課税標準が6分の1に、200m2超の一般住宅用地であれば、課税標準が3分の1となる減税措置が受けられます。
また、2020年3月31日までに新築された住宅の場合、課税床面積が120m2までの部分につき、3年間または5年間にわたり固定資産税が2分の1になる減税制度もあります。
他にも、2020年3月31日までの間に新築された認定長期優良住宅の場合、新築から5年間(マンションは7年間)税額が2分の1に減額される制度もあります。
なお、減税措置には事前に申請が必要なものもあります。
あらかじめご自身の住まいはどのような減税措置が適応されるか調べておき、申請を行うようにしましょう。
固定資産として評価される対象物や相場を調べておこう
固定資産税は、対象となる不動産の資産価値に対して評価額が算出され、それを基に総合的な金額を計算するものです。
調査対象となる建物に資産価値が高いと見なされるものが多ければ多いほど評価額は上がりやすくなります。
どういったものが資産価値の高いものと評価されるのか、評価額の相場と併せて確認しておきましょう。